先月末から新聞・テレビなどで、国立感染症研究所から乳幼児に気管支炎や肺炎などを起こす「RSウイルス感染症」が流行しており、2004年以降ではこの時期の患者数としては最多となったと報道されています。 例年ては、秋から冬に流行するのですが、今年は6月下旬から患者が増え始め、9月12~18日の一週間に全国の定点医療機関から報告された患者は1414人であり、特に東京や大阪、宮崎が多かったとのことです。
このウイルスは、患者の鼻水やたんに含まれ、せきやくしゃみ、ウイルスがついた手指を通じて感染する。4~5日で鼻水やせき、発熱症状が出て、肺炎や呼吸困難で入院する子もいるとのことであり、また。ワクチンや効く抗ウイルス薬はないとのことであります。
予防に関しては
手洗い
せきエチケット(症状のある人にマスク)
体力・免疫力の維持(バランスの取れた食事と十分な睡眠) などが言われております。
この予報法に関して、矢寿井感染制御研究所では、手洗い後に手洗い殺菌乾燥機(クリアレディ)を、また、おもちゃなどを介して感染じうるので注意が必要であり、おもちゃ殺菌乾燥保管庫・歯ブラシ殺菌保管庫・哺乳瓶側近乾燥保管庫も予報に有用な対策としてお勧めをしています。
さらに、調べますと札幌医科大小児科の堤裕幸教授の執筆で下記の資料がありました。(gooヘルスケアより)
RSウイルス感染症
RSウイルスによる乳幼児の代表的な呼吸器感染症です。毎年、冬季に流行し、乳児の半数以上が1歳までに、ほぼ100%が2歳までに感染し、その後も一生、再感染を繰り返します。
症状の現れ方
感染後4~5日の潜伏期ののち、鼻汁、咳(せき)、発熱などの上気道症状が現れます。3割程度の人はこのあと炎症が下気道まで波及して、気管支炎や細気管支炎(さいきかんしえん)を発症し、咳の増強、呼気性の喘鳴(ぜんめい)(ぜいぜいする)、多呼吸などが現れてきます。 すべての患者さんの1~3%が重症化し、入院治療を受けます。心肺に基礎疾患がある小児は重症化しやすいとされます。通常は数日~1週間で軽快します。 新生児も感染して発症し、がんこな無呼吸を起こすことがあるので注意が必要です。また、細気管支炎にかかったあとは、長期にわたって喘鳴を繰り返しやすいといわれています。
検査と診断
冬季に乳児が鼻汁、咳に引き続いて「ぜいぜい」してきたような場合には、その30~40%がRSウイルス感染症によると考えられます。鼻汁材料を用いたRSウイルスの抗原検出キットが使用可能ですが、入院児のみが保険適応になります。
治療の方法
対症療法が主体になります。発熱に対しては冷却とともに、アセトアミノフェン(カロナール)などの解熱薬を用います。喘鳴を伴う呼吸器症状に対しては鎮咳去痰(ちんがいきょたん)薬や気管支拡張薬などを用います。 脱水気味になると、喀痰(かくたん)が粘って吐き出すのが困難になるので、水分の補給に努めます。細菌感染の合併が疑われる場合は抗生剤を使用します。
予防法
早産未熟児、慢性肺疾患児、さらに血行動態に異常がある先天性心疾患児に対して抗RSウイルス単クローン抗体(パリビズマブ〈シナジス〉)が予防的に投与される場合があります。入院率の低下などの効果が確認されています。
RSウイルス感染症に気づいたら
RSウイルス感染症は、保育所などで施設内流行を生じやすいので、注意が必要です。また、家族内感染も高い率で起きます。飛沫や接触により感染するので、患者さんの気道分泌物の付着した物の扱いに注意し、手洗いとうがいを励行してください。
ご参考までに、RSウイルスの参考資料を添付しておきます。
(参考資料A) RSウイルス 都道府県別診断名別 2011
(参考資料B) RSウイルス概要 東京都感染症マニュアル2009