矢寿井感染制御研究所を代表し、去る11月19、20日に東京ビッグサイトにて開催されました第6回 医療の質・安全学会学術集会に参加して参りましたので、ご報告させていただきます。

当学会は、設立趣旨を『医療への信頼が大きく揺らいでいる今、医療の質と安全のあり方が鋭く問われています。医療において患者さん本位の質のあり方を確立することは、患者さんと医療に従事する人々の共通の願いであるばかりでなく、健康を大切にし、安心して暮らせる社会を希求するすべての人々の願いでもあります。(中略) 医療の質と安全をめぐる諸問題は、医療に従事する人々がいっそうの努力を重ねるということだけで解決できるものではありません。医学の枠組みを超えさまざまな視座と幅広い英知を集めた学際複合的な研究とその知見を実際の医療に役立てる取り組みの推進を通じて、新しい医療のあり方、システムとして患者本位の医療の質と安全を保証するしくみを創り出す必要があります。』としており、医療業界だけにとどまらず、広く社会の安全を願う人々の智恵を結集し推進しています。私も設立準備会の会合から7年間連続に参加し、ますます有意義な学会に発展してきたと心強く感じています。

さて、今大会長の永井良三教授(東京大学大学院 循環器内科 教授)は、今大会テーマを『医療安全学の新たな展開 ~科学と社会の対話を目指して~』とし、医療の質と安全をどう客観的に表現するかに関して、いろいろな指標を開発して、医療の質を策定し、安全を阻害する要因を明らかにし、事故発生メカニズムの解明、防止策を講ずることが必要であると語られています。また、科学としての医学のあり方として、原子力発電のようなシステムを安全に稼動するためには部分的な科学や技術ではなく、全体を俯瞰し想定外の事態に備える必要があり、それは医療の安全も同様であるとも語っておられます。

また、私自身が今学会で感じたことは、下記の通りです。
① 医師の中に患者さんを中心に考える新しい医師像を描こうとしているメンバーが現れてきたこと。
  (添付資料2参照) 代表者の著作(添付資料3参照)
② 世界的にも『医療に患者さんが参加する』傾向になってきていること。 (添付資料4参照)
③ 公正中立な立場で医療の安全を推進する組織が活動していること。 (添付資料5参照)

ここに関連資料を添付しておきます。
(添付資料1) 第6回医療の質・安全学会抄録集(JPG)
(添付資料2) 21世紀 新医師宣言(PDF)
(添付資料3) 医師アタマとの付き合い方 著者 尾藤誠司氏(JPG)
(添付資料2) The Joint Commission SPEAKUP(JPG)
(添付資料3) 日本医療安全調査機構パンフ(JPG)