感染症・食中毒を予防する殺菌消毒装置のパイオニア、日本カーヴィング

感染症予防事例

ちょっと立ち話(その4)

パスツールの大証明 「微生物の自然発生説の否定」 

 白鳥のクビ型フラスコをつかった実験で、パスツールはこの実験によって、「微生物の自然発生はありえない」ことを証明した。

 パスツール(1822〜95)にさかのぼる17世紀、オランダのレーエンフックは顕微鏡を発明して、身のまわりの多くの種類の微生物を手あたりしだい観察した。微生物の存在はすでに知られていた。その後、パスツールの時代まで、(なまの食物などが腐るときなど)とるに足りないほど小さい生き物は自然にわいて出るのだという「自然発生説」が根強く信じられていた。

 パスツールははじめ微生物学者でなく、ぶどう酒のできふできが自国の経済の浮沈にかかわるフランスの化学者であったが、ワインの発酵という微生物世界の下地があった。すまし汁(ブイヨン)を2つに分けて、長く曲がったクビつきフラスコとクビなしフラスコの両方に同量入れ、煮沸滅菌してから冷ましたまま室温に放置した。しばらく経つと、クビなしフラスコのすまし汁はひどく濁った。いっぽうクビつきフラスコは澄んだままで変わらなかった。パスツールは、クビなしフラスコでは空気中の雑菌が落下混入して増えたが、長いクビつきフラスコでは侵入できなかったと考えた。このことから「微生物が(何もないところから)自然に発生することは絶対にありえない」と結論したのであった。この考えは(微生物を生命と置き換えても同じことで)当時の学問界のみならず世界の人々に衝撃を与えたのであった。

 ラッキー! ところで、パスツールの実験に登場した、煮沸前のすまし汁の中にあった微生物は何だったのだろう。環境中には生存条件が劣悪になると、菌体内に芽胞をつくりだしじっと耐えて、やがて条件がよくなったときにやおら出芽して発育するという芽胞菌がある。ボツリヌス菌や炭疽菌などだ、また納豆菌も。芽胞は加熱にとても強いので他の種類のふつうの細菌から分離するためにサンプルを10分ほども100℃で煮沸することがある。熱にとても強い芽胞を生きたままえり分けるためだ。

 幸運だったのは、すまし汁に芽胞菌がはいっていなかったことだ。パスツールの実験で、もし「芽胞菌」がはじめから混入していたとしたら、長いクビつきフラスコのすまし汁もやがて濁ったにちがいなかった。そして、微生物は自然発生するという違った結論にいたったにちがいない。したがってこのとき、パスツールの偉大な証明はなく、別の科学者によってずっと後々になされたかもしれなかった。

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